鉄筋腐蝕厚測定調査

鉄筋のかぶりを測定した同じ擁壁において、山口大学の田中正吾教授らが開発した方式(5反射波モデル)を用いて鉄筋の腐蝕厚を測定した事例を紹介します。コンクリートの等価的比誘電率を用いて腐蝕厚を計測した結果をもとに、計測値と実測値の比較を行った結果を図1に示します。

図1　腐蝕厚の計測値と実測値の関係

図より、実測値と計測値の間には強い相関がみられることがわかります。なお、図中の数字は、重複したものの数を表しています。また、図中に示したA、B、C、Dの記号は、目視による鉄筋腐蝕の判定結果です(表１及び写真1参照)。

表1　目視による腐蝕レベル

腐蝕度	腐蝕状態
腐蝕なし	腐蝕を認めず
Ａ	点さび程度の表面的な腐蝕
Ｂ	全体に表面的な腐蝕
Ｃ	浅い孔食など断面欠損の軽微な腐蝕
Ｄ	断面欠損の明らかな著しい腐蝕

ほとんど腐蝕がみられない鉄筋(ランクA)	腐蝕が進行した鉄筋(ランクD)
写真1　腐蝕状態を示す鉄筋例

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