近年、高層建築物等の耐震設計では、動的解析によりその耐震安全性を検討する設計手法が用いられています。地盤の動的解析を実施する際に、従来は既往大地震による観測記録が用いられることがほとんどでした。しかし、1995年の兵庫県南部地震以降、震源の特性やその地点の地盤の特性など、複雑な現象の組み合わせで極めて強い地震動が発生し、大きな被害を与えることが指摘されてきました。そのため、調査対象地点がどのように揺れるのかを予測して、入力地震動を評価することが重要になってきています。
当社では、旧建設省建築研究所等による「設計用入力地震動作成手法技術指針(案)」に基づき対象地近傍の地震観測実波形位相を用いて告示波を作成する場合、(株)構造ソフトによる模擬地震波作成プログラム「BUILD.WAVE2000」を使用しています。
また、サイト波は、将来発生する確率の高い地震源(地震基盤)の破壊を想定し、いくつかの高度な理論を用いて解放工学的基盤における加速度応答スペクトルを求める者です。サイト波の作成にあたっては、伊藤忠テクノソリューションズ(株)による「地震動作成/波形システムD-WAVE」を使用しています。
模擬地震波の作成事例を以下に示します。なお、観測波は、独立行政法人防災科学技術研究所による強震記録観測データ(K-NETデータ)を使用させていただきました。
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