高架橋(橋脚)の仮設工の変更設計を行った事例です。堤外地側で鋼矢板V型を13.5m打設、堤内地側で鋼矢板W型を19.5m打設し、二重締切りによる中詰盛土を行っていたところ、堤外地側の鋼矢板が外側へ最大1.0m変位しました。そこで、変状原因を明らかにするためのボ−リング調査や力学試験を含む室内土質試験を行い、地盤変位量等を考慮できるFEM解析(弾塑性解析)を行いました。その結果、鋼矢板変状の原因は、中詰め盛土の上載荷重により基礎地盤である上部粘土層がすべり破壊を生じ、そのすべり土圧が矢板に作用したものであることが分かりました。対策工法として、1)鋼矢板の再設置(鋼矢板をW型、矢板長を21.5mに変更)、2)二重鋼矢板の再設置+表層安定処理工(鋼矢板をW型、矢板長を18.5mに変更)、3)地盤改良工(矢板根入れ部を4m改良)の3案について比較検討した結果、周辺への環境負荷がなく、施工性や経済性に優れた2案を採用しました。
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